鬼ノ城みて歩き(2)

 西門付近を見た後、南門跡東門跡屏風折れの石垣北門跡礎石建物群跡などの古代山城の遺構を巡る遊歩道を歩いてみました。

鬼ノ城の遺構と遊歩道の地図

鬼ノ城の遺構と遊歩道の地図(ビジターセンターで入手したリーフレットのもの)

 古代山城の遺構を巡る遊歩道は、凹凸あり段差ありの山城らしい道でした。遺構を毀してはいけないので、むやみに手を加えることはできないのでしょう。
 遊歩道は、西門→南門跡→東門跡→屏風折れの石垣と巡るコースの多くの部分で城壁の遺構に沿っているようでした。

西門付近 ~ 南門跡

西門付近

西門付近(城壁の板塀)

西門付近(城壁の板塀)

城壁(復元したもの)

城壁(復元したもの)

高石垣(復元したもの)

高石垣(復元したもの)

第0水門(復元したもの)

第0水門(復元したもの)

 第0水門は、現地に案内表示がなかったので、ガイドの方に尋ねてその場所(西門東の高石垣の東側)を確認しました。

 ここは、流水量が少ないので通水溝を設けない浸透式の水門だったとして復元してあり、見た目では水門という感じはしませんでした。

遊歩道

 城壁に沿って敷かれていたと思われる敷石や城壁下部の石積みの遺構らしき石列を、遊歩道の路上や路傍のあちこちで見ることができました。

 城壁そのものは、1300年間の風雨で版築土塁が崩れ、ほとんど失われてしまったのでしょう。

遊歩道(上側)

遊歩道(上側)

 路上にたくさんの敷石が残っていました。
遊歩道(上側)

遊歩道(上側)

 敷石や列石の向きから、この遊歩道のすぐ右側に城壁があったことがわかります。
遊歩道(下側)

遊歩道(下側)

 下側の遊歩道にも敷石が残っていました。
遊歩道(下側)

遊歩道(下側)

 この遊歩道沿いにある神籠石状列石の向きから、この場所が城壁の外側だとわかります。
 上の写真の遊歩道の下側に別の遊歩道があり、神籠石状列石の表示がある場所がありました。

 神籠石は、城壁を築くとき版築土塁の下に土留め石として施設していた列石で、鬼ノ城は神籠石式山城といわれています。

第1水門跡・第2水門跡

第1水門跡(城外側)

第1水門跡(城外側)

説明

説明

第2水門跡(城外側)

第2水門跡(城外側)

 第1水門第2水門は近接していて、上の写真の第1水門跡・第2水門跡(城外側)は、右の写真の遊歩道の右下にありました。

 右の写真の遊歩道の左側は低湿地のようになっていて城内側だとわかるので、遊歩道のこの場所は水門の上(城壁の上)に位置していることになりそうです。

遊歩道(城壁の上の位置)

遊歩道(城壁の上の位置)

高石垣

高石垣(上側)

高石垣(上側)

高石垣(側面)

高石垣(側面)

 第1水門跡・第2水門跡のところからしばらく歩くと、遊歩道の傍に高石垣が築かれた見晴らしのいい場所がありました。

 高石垣の上からだと南から来る敵がよく見えそうです。

南門跡

 高石垣のところから少し歩くと南門跡に着きました。
 南門跡では、石組みや角柱などが復元されていました。

南門跡(石組などを復元したもの)

南門跡(石組などを復元したもの)

南門跡(石組などを復元したもの)

南門跡(石組などを復元したもの)

 城門の建物は復元されていませんでしたが、石組みや敷石などとの位置関係から、1階に通路、2階に城壁上の連絡路をもつ建物だったろうと思いました。

 南門は、規模・構造ともに西門とだいたい同じで、間口3間(12.3m)・奥行2間(8.2m)・城内への通路1間(4.1m)の大型の城門だったようです。

南門跡

南門跡(南側から撮影)

南門

南門(門礎部分)

現地の解説板から

現地の解説板から(門礎部分)

 扉の据え付け位置にある門礎は、門柱を立てる部分を方形に削り取ったくり込み方立柱穴(扉を受けるために門の両側に立てる小柱穴)・軸摺穴(開閉する扉の軸を支える穴)・蹴放し(扉の下にあって内外を仕切る)が一体的に加工されたもので、その丁寧な加工に驚かされました。

南門跡 ~ 東門跡

第3水門跡

第3水門跡の表示板

第3水門跡の表示板

第3水門跡(城外側)

第3水門跡(城外側)

第3水門跡付近

第3水門跡付近

 第3水門跡付近(南側)には遊歩道に敷石や列石がかなり残っていて、城壁がすぐ傍にあったことがわかります。

自然歩道 ~ 高石垣

自然歩道の表示

自然歩道の表示

遊歩道

遊歩道

高石垣(上側)

高石垣(上側)

高石垣(側面が少し見えます)

高石垣(側面が少し見えます)

高石垣(遊歩道から撮影)

高石垣(遊歩道から撮影)

東門跡・屏風折れの石垣を望む

東門跡・屏風折れの石垣を望む

 第3水門跡を過ぎた辺りの遊歩道は、吉備路自然歩道の表示があったりする快適な道でした。雰囲気を楽しみながら歩いていると、やがて高石垣が築かれた広い場所に出ました。そこは展望台のように見晴らしがよく、東門跡や屏風折れの石垣も一望できました。

第4水門跡

第4水門跡の表示板

第4水門跡の表示板

第4水門跡付近

第4水門跡付近

第4水門跡

第4水門跡

 第4水門跡は、状態が悪く、城外側から見ることはできませんでした。

東門跡

 東門は、西門や南門に比べると少し小さく、間口1間(3.3m)・奥行き2間(5.6m)の6本柱からなる城門で、すべて丸柱が用いられている点など他の3門とはやや異なった特徴を持っているようでした。

東門跡

東門跡

 扉を入った正面(城内)には、巨大な一枚岩があり、敵の侵入を妨げるために利用されていたと考えられているそうです。

東門跡

東門跡(石組などを復元)

東門跡

東門跡(南側から撮影)

通路床面

通路床面

門礎部分

門礎部分

現地の解説板から

現地の解説板から(門礎部分)

 門礎は、門柱に合わせたくり込み・方立・軸摺穴・蹴放しが一体的に加工されているもので、そういう門礎をもつ城門があるのは、鬼ノ城だけだといいます。
タイトルとURLをコピーしました